統計、データの落とし穴

寒くなってきましたね。皆さんのお宅では暖房されていますか?

当院は薄衣になる機会が多いので早速ブルーヒーター活躍しておりますが…あまりにもパワーが強いのでものの数分で25℃越えしてしまいます。エアコンでは電気代が高騰するし…この季節は悩む季節です…

只今、宮城県付近を台風21号通過しようとしています。

こんな時にいらっしゃる患者さんはいないだろうと珈琲なぞ喫しながら新聞読みに耽っておりましたらお一方!!殊勝なことでいらして頂きました(^^)大したもんだぁぁ~ …って、前置きが長くなりました…

 

今回のテーマは

「統計、データの落とし穴」と題してお伝えいたします。

 

先週土曜日。とある集まりがあり○○大学で教鞭を執られている先生の講演を拝聴する機会がありました。

お話しのとなか、著しい違和感を抱いたのです。

果たして…?? 自分でも釈然としない、説明がうまく出来ない状況でした。解らないまま質問をして打開しようと試みたのですが…うまく論点を表出できず自分自身的を射ていない質問内容に腹立たしくもあり。。。

帰路自家用車のなかで何度も反芻し !!! わかったのです。

 

※留意して頂きたいのは誰が良い悪いと個人を特定して批判しようという意志ではないことを大前提にお話しさせて頂きます。

 

今回の講演にはいくつかのテーマ、キーワードがありその論点に沿ってお話は進みます。

その中で当然のように沢山の統計や関連のペーパーを列挙して解りやすいように解説を加えて展開されています。

疑問点が出始めたのは、とある学会で出されている〇〇〇に関するデータを何点か列挙した時のこと。

その学会で作られている統計は間違いなく確かなデータであるのですが、お話しを聞いているその瞬間から『?』『??』『???』はて?なんかおかしいぞ・・・と感じ始めました。

何を感じたか。そうです。権威のある機関学会の作った(決して間違いのない!!)都合のよいデータを流用し今回の結語としたことに違和感を抱いたのです。

 

今回の集まりは、いま学ぼうと志を抱きわざわざ集まった若者たちの為のいわば「勉強会」なわけで彼らは臨床の現場で、最新の情報をこのような機会に得て今回蓄えた知識を肥やしに患者さん方と対峙するのです。このような機会はそうありません。とても大事な勉強会です。わたしはこのような集まりはどんどんするべきだと思いますし教授頂いた先生に多大な敬意を表したいと思います!!

 

今回の講義は、データを複数提示し論点をまとめお話しをされている方の『結論!!』を導き出す法則でお話しが進んでいます。いわゆる「帰納法」的法則でデータを流用されています。しかし、流用されている統計は今回お話しされているテーマのために作られたものではありません。これが私が引っかかっていた場面です。

 

統計と云うものはひとつの事象をひとまとめにして視覚化するために用いる手段です。その点で論点となることは□□というテーマに関して○○を数値化して標準点を設定し△△という結論を導き出した。これは何を表しているかというと。。。『▢▢』⇨『△△』と導き出した。ここで話されるべき点はこれ以上でもこれ以下でもないのです。

 

そこで、データを流用する点で気をつけなければいけないのは仮に私が『◎◎』のお話しをするのに『△△』の結論を使うことが出来るか!?です。(私見ですので反論されるべきところは多分にあると思いますがそれを踏まえたうえでお話しします)

 

私の見解は、『△△』の結論を使ってもいいのですが、教えるべき講義の場面では妥当な手段ではない。ということです。帰納法的な導きで出された結論を講義に利用するときは、データに対して多方面からの解釈を講義する自分自身乃至講義を受けているみんなでディスカッションを加える必要があるということです。なぜならば、データはある一側面しか現していないからです。けっして『△△』は『◎◎』のために出した結語ではないからです。

『□□』⇨『△△』しか導き出していません。

『◎◎』≒『△△』と都合のよい結論を出されれば習う側はそのように知識に取り入れてしまいます。

なので善後策として流用されるデータの場合、多方面からの解析や異論を挟み込むことが肝要かと…

データとは結果にすぎません。以上にお話ししたような、学術論文のような導き出しを講義に使用する場合に特に注意しなければならない点と思っています。。。ですので、これからどんどん学ばれていかれる後輩の皆さん。以上の点に含みを持たせ勉学に励んでください。

 

と、わたしのモヤモヤ自分なりに解決しました。

もしかしてわたしの考えは間違っているかも知れません。ですのでディスカッションが必要なのです。いろんな見方が有り結論は決して一つではありません。間違ってるかも…ホントかな??と疑うことが先ず第一歩ではないでしょうか(^^)

 

以上、今回はこれにて

fin