当院管理では難しい症例~その1~

最近お越し頂いている患者さんに関して症例報告いたします。

年齢は50代 女性

初検日は1週間ほど前右膝の痛みを訴えて来院。3~4か月前から膝が伸びない症状があったとの事で、近くの整骨院で管理施術して頂いていたとの由。

一見すると膝関節の外反変形を伴っているように見えるが、荷重時疼痛回避に伴う代償姿勢であることが判る。関節自体の変形も認めず3,4か月前はごく普通に膝の屈伸も可能で正常歩行であったとの事。関節内の滑膜増生や関節液貯留無し。膝蓋骨可動性も大腿直筋の緊張を伴うもほぼ正常。正座は不可。伸展-25°で固定認める。靭帯も機能良好。内側広筋の萎縮軽度認められる。内側関節裂隙を中心にした伸展時痛著明。といった所見。

一旦完全伸展可能でクリックとともに整復されたような感触はあったものの・・・元に戻ってしまうのです・・・

 

[判断](医師ではないので鑑別であったとしても診断は出来ない)

○内側半月部分断裂に伴う膝関節ロッキング

 

この症例は発症間もない場合(2~3週以内)整復可能であるが、上記の症例は経過があまりにも長く受傷周囲の過緊張も相まって徒手整復困難な症例である。

この場合、医科管理下での治療が求められる。それはなぜか?

断裂した半月組織が挟まった状態で荷重や負荷を長時間かけると接触している部分の関節軟骨の破壊が引き起こされるのである。受傷前の経過から勘案するとOA change(変形性関節症による関節内変化)とは素直に考えられない。物理的に部分切除するか元に戻せるのであれば戻したい状況…

 

今までの経過が長く整復も芳しくないのでこの患者さんはヒザ専門のDrにご紹介の予定。

 

なぜ早い段階で手立てを施さないかが問題。

患者さんは私たちの『飯の食いダネ』ではありません。

診れば分かるはずです。分からないのであればわかるふりをして患者さんを施術しないことです。

ちゃんと勉強しましょう。

困るのは患者さん方です。私たちは治すことで患者さん方から報酬を頂いています。治して偉くもなんともありません。出来て当たり前の世界に私たちは生きているのです。

 

と、私自身も肝に銘じて

患者さん方にとってより良い治療、そしてより良い選択肢を提供する事を目指し今日も一日頑張ります

勉強勉強!!私も負けずに(@^^)/~~~

 

※患者の個人情報およびそれと特定できる内容や画像は一切記載いたしません。患者個人を特定するような問い合わせも受付いたしません。御覧頂いている皆様にも当院の方針であることをご理解いただきたく存じます。